工法概要
N-S.P.Cウォール工法は壁面にプレキャストパネル(N-S.P.Cパネル)を配置し、裏込め材として気泡混合軽量盛土材を打設する「軽量盛土擁壁工」の一種です。N-S.P.Cパネル内にSPCロッドと呼ばれる鋼棒を配置し緊張することにより、軽量盛土材打設時に発生する膨張圧に抵抗する構造を有しており、軽量盛土の打設高を1日当り1.0mとすることが出来ます。
最も特徴的なのは、斜面(床掘背面)に「平板式ロックボルト」を配置することによって、軽量盛土擁壁の弱点である「①背面土圧」「②地震時慣性力」の抑止を行うことができ、地山と一体化した構造となります。対象とする対策に応じて、「道路構築方式」「覆工方式」「テンサー併用方式」方法があります。
いずれの方法も共通する特徴として、
- 一般的な擁壁に比べ掘削、床掘量の低減が可能。
- 軟弱地盤上の擁壁構築が可能。
- 裏込め材に気泡混合軽量盛土材を用いるため、既設構造物の撤去や転石、浮き石の撤去が不要。
- 地すべり地形箇所においてはN-S.P.Cパネルに直接永久アンカーが配置できるため、別途受圧板が不要。